桃の剪定 基本のポイント
果樹の剪定はどこをどう切ったら良いのか解らない。
切り過ぎたら怖いので、ついつい無駄に枝を残しがちになることが初心者の頃よくありました。
庭先園芸で桃など立ち木の果樹を育てている方も美味しい果物を自分で作ってみたいと思って育てているのですから
基本的なポイントを桃を例に紹介します。
ゴールの樹形を意識することが何より大切!
こんにちは!フルーツ童夢農園主の山田です。
果樹の樹作りで大切な事は完成形の樹形を意識することです。
果樹は他の園芸作物と違って1年で終わる物ではないので、ゴールとなる完成した樹形をどんな形にしたいのかが先ずは大事です。
簡単に言うと10年程でほぼ完成するので
そこからの逆算で樹の成長を考えて行けば良いのです。
そうは言っても簡単じゃないですよね(笑)
この樹は一般的な開心自然系と呼ばれる仕立て方で8年目の桃の樹です。
毎年の剪定で枝を伸ばす方向だったり、残す枝、切る枝をゴールの姿から見て必要か判断して選びます。
毎年、毎年で切り方を考えていると徐々にバランスが悪くなって日当たりの良くない枝まで無駄に残しがちになり
結果的に光合成がうまく出来ずに枯れてしまう側枝なんかも出てきちゃうのです。
車枝を配置しないことが重要
車枝ってなに?
赤〇部分の様に幹に近い太さの枝を枝を両サイドに残すと必ず先端より側枝の方が太くなってしまいます。
側枝は交互に配置するのが基本になります。
重要な事は 成長点(先端)を常に充実させることです。
先端部分が弱ると新枝の伸びが悪くなって樹の成長が止まってしまいます。
養分は常に根っこから1番遠い場所に養分を送ろうとするのですが 側枝などに太い枝を残したままにすると その枝に養分が強く流れて先よりも側枝が太く育ってしまうので無駄に太い枝は落としてしまいます。
シンプルに左右交互にバランス良く
ビフォー、アフターとして画像を載せました。
この樹は3年位、従業員に剪定を任せていたので若干バランスが崩れてしまっていました。
最終的に残した側枝は基本の作り方から考えると上手くはありません。
無理に基本に合わせようとすると
・主枝に対して角度が先端に向かっている枝を落とす。
・車枝を落とす を実践するとスカスカになって逆に樹勢バランスを崩すことにもなります。
一旦3年先を考えて最小限に枝を残してあります。
実を取りながら樹を成長させる
果樹栽培の1番難しいところが、実を取りながら樹を成長させる部分です。
基本の枝振り(教科書通り)は大事ですが
簡単に予定通りに枝が伸長するわけではないので3年先を目処に樹作りをしましょう。
まとめ
・目指したい樹形を意識して枝振りを考える
・バランスを考えて枝を残す
・庭木の松などとは違うのでキレイに枝を配置しようと無理に形を作ろうとすると逆にバランスを崩し先端が弱る
・実を取りながら樹を成長させることを意識する
毎年の成長を感じられるのは果樹栽培の醍醐味です。
思った通りに行ったり、行かなかったり天候の条件にも成長は左右されます。
他の園芸作物に無い喜びが果樹作りにはありますので楽しんで挑戦してみて下さい。
質問等は直接答える事も出来ます。
ご来園時にも気軽にお声を掛けて下さい。